市原中央ロータリークラブ週報      2005.1 1. 8 第843号

国際ロータリー第2790地区ガバナー 山中義忠
第2790地区第3分区Bガバナー補佐 山崎邦夫
会 長:山崎 幸男
幹 事:田仲 正道
例 会:毎週火曜日12時30分点鐘 五井グランドホテル
事務所:〒290−0056 千葉県市原市五井5584−1 五井グランドホテル
     TEL0436(23)1211 FAX0436(23)1217

点 鐘:山崎 幸男会長
ソング:我らの生業
司 会:藤原 勝次 SAA
お客様:元交換留学生(メキシコに派遣) 田村 陽子さん

会長挨拶:山崎幸男会長
 
私からの提案ですが、今ロータリークラブの会計処理の方法について検討しております。
年内一杯位検討して私の方から提案させていただこうと思っておりますが、インターネットで調べたり、RIの事務所に聞いたりして、私自身も驚いたのですが、R.Cの会計処理はこの様にしなさいというマニュアルがないのです。
それぞれのクラブにまかしているのが実情の様です。多少でも、今の会計処理より分かり易く出来れば、と理事会で検討しておりますので、皆様に近いうちに新しい会計処理を提案出来たらいいなあと思っております。

幹事報告:千葉英隆副幹事
1、米山梅吉の記念誌購入希望の方は1冊2500円ですので申し込み下さい。
2、インターネットで見られない会員宛の週報をご自由にお持ち帰り下さい。

委員会報告:クラブ会報委員会 谷川安男委員長
 
先日開設されました市原中央ロータリークラブのホームページのアドレスの中央の英字表記が「tyuo」となっておりますが、クラブ旗やクラブのバナーの中央が「chuo」となっていますので、11月5日に変更いたしました。

卓話:「La paz」 田村陽子さん
 
皆さんこんにちは。2000年、2001年度青少年交換プログラムにおいて市原中央RCにスポンサーでメキシコに派遣して頂き、同じく今回貴クラブにご推薦頂き06−07年度国際親善奨学生候補になりました田村陽子です。昨年度から引き続き、今年度も当地区の青少年交換プログラムを終了し、帰国した者による組織である千葉REXの会長も務めております。現在は東京女子大学の四年に在学しております。

 さて、本日の題目としております「La paz」 はスペイン語で「平和」という意味です。このタイトルを選んだ理由はまさに、私が勉強していものが平和学だからです。本日は、平和学とは何か?また、私がその中でどのような内容を勉強したいのか、また、平和学に行き着いた経緯などをお話できたらと思います。

 平和学は「戦争の諸原因と平和の諸条件についての学問」です。学問として始まったきっかけはおそらく、最も有名な学者ではドイツの哲学者カントの『永遠平和のために』が始まりでしょう。そこでは永遠的平和のためには常備軍の廃止と、共和制の確立が必要であることを力説しました。これは今でも通用する学説と言われています。また、オランダのグロチウスは『戦争と平和の法』で、自然法の立場から国々が諸国平等の法に基づいて交易し、交友関係を深めることが国際平和への道であることを力説することで、国際法の基礎を築きました。平和学へのアプローチは様々です。伝統的なアプローチの仕方としては、「平和」=戦争がないこと、特に大規模な戦争の不在を指していました。しかし、西欧大国から第三世界への関心が高まるとともに、南北格差とその起源も研究の対象として加えるべきだという議論が生まれてきました。貧困や搾取の存在、さらに人権抑圧や武力弾圧の不在なども「平和」としてみなされるようになりました。

 私がアプローチしているのは、紛争地におけるローカルなレベルでの和解と交流です。紛争が始まる原因は様々です。経済、政治的利益、領土問題等々そのようなことから紛争は始まります。紛争を終わらせるのに注目されるアクター、つまり主体として注目される多くはそれぞれの政府だったり、それに代わる代表です。しかし、私が紛争解決の過程で一番注目しているのが世論を形成する市民、つまりその睨み合う地域で実際に住んでいる人々です。現在私はイスラエルとパレスチナ和平について勉強をしているのですが、そこでの世論の影響力というのは多大なものがあります。政府での和平路線が順調にいくと、その代表でない者、例えば、イスラエルでいえば過激ナショナリストだったり、超伝統的ユダヤ教徒だったり、パレスチナで言えばハマスや、ファタハなどのテロ組織と言われる人々がそれを崩す為にテロ行為に走ります。そうすると政治レベルでは和平路線なのにもかかわらず、現実には平和が来るどころかテロの恐怖が人々をふるえさせます。そうすると人々の間で平和は自分たちの生を保障しない、つまり、安全を保障しない、ならなぜ政府は相手方に妥協する必要があろう?−−そのような悪循環をたどり結局それまで政治レベルで進めていた交渉はその代表者の選挙の敗退や、民衆や反勢力との不一致により破綻していくのです。つまり、政治レベルでの和平は必要不可欠ではあるけれど、それだけでは和平は完成しないのです。
 このように、住民レベルでの和解は和平交渉において非常に大事なのです。おそらく私たちぐらいの年代から上の人たちに、いきなり今まで敵対していた人々、つまりユダヤ人にパレスチナ人を、パレスチナ人にユダヤ人を受け入れろといっても非常に難しいと思います。想像をしてみて下さい。政府同士が和平に達したので今から仲良くして下さいといわれたからといって、自分の親戚、または家族、友達を殺した敵と、いきなり一緒に食事ができるでしょうか?非常に難しいと思いますが不可能ではありません。少しずつ、お互いを知る機会が増えれば、きっとお互いを認めあえる日が来るとおもいます。そしてこれからを担う子どもたちはどうでしょうか?憎しみをもって生まれてくる子供はいません。子供のころからもしお互いに交流を持ち、お互いが人であり、人間であり、友達であるということを理解していたら、大人になったときに殺し合いをするのでしょうか?私はそうは思いません。では、なぜ紛争地帯では、隣人を殺すことができるのでしょうか?それは、お互いを知らないからなのです。相互理解が足りないからなのです。もし、少しでもお互いの事をしり、お互いが同じ人間であるということを理解すれば少なからずとも「殺す」行為には至らないのではないでしょうか?

 私が研究しようとしているテーマがまさにこれなのです。「紛争解決システムにおける、住民レベルの和解の重要性」簡単な言葉でいいますと、紛争を終了し、二度と起こさないためにも、住民同士の相互理解、許し合い、相互の信頼醸成が重要だということです。実際、イスラエル国内には平和村とよばれる村がありまして、そこではユダヤ人、パレスチナ人が半分ずつの割合で住んでいます。村の委員会も半分です。学校もありますが、ヘブライ語、アラブ語の両方を学びます。ここでは修学旅行がユダヤ教の礼拝堂のシナゴーグであったり、モスクであったり、お互いの文化、宗教を理解することに重点が置かれた教育を受けます。そして、この村ではユダヤ人とパレスチナ人が武力での衝突なしに共存しています。子どもたちはお互いを理解していっています。このような草の根レベルのアクションが広がり、ここで育った子どもたちが大人になったときに、きっと和平は限りなく可能に近づくものと考え、このようなアクションの一般化、つまり、有効性を研究し、他の地域にも当てはめられるようにするにはどうしたらいいか、あてはめられるのか?というものが、私が、財団奨学生としてスペインで勉強したいことです。

 では次になぜ私がこの「平和学」に行き着いたかということについてお話させて頂きます。覚えている限りでその一番始めのきっかけは中学生の時に見に行ったRobert Capaという戦争写真家のギャラリーです。また「シンドラーのリスト」という映画も影響が非常に大きかったと思います。そこで戦争の怖さというものを視覚で感じました。しかし、決めてとなったのはやはり5年前の青少年交換プログラムだと思います。

 私がメキシコにいっていた2000年から2001年、『パールハ−バー』というハリウッド映画が上映されていました。名前の通り真珠湾攻撃を映画化したものだったのですが、それをドイツの親友でありました、クリスティーナと見に行きました。私もクリスも映画館を出た後に、黙りこくり、二人で海岸で戦争について話し合いました。彼女は「きっと私たちが仲良いのも、あの日独伊三国同盟から始まっているのかもね」なんて笑いながら言っていたのですが、同時に、なぜ戦争をしてしまったのか、どうして戦争になってしまうのか?という話にもなりました。そこが私の現在専攻しようとするテーマの原点でした。
 スペイン語、場合によっては英語という母国語ではない言葉での意思疎通というのは難しいものではありましたが、どんな人間でもやはり”同じ人”で、年齢、国境が違ってもこんなにもお互いの理解が可能なのだということを肌で感じた一年でありました。

 国境親善大使として派遣されたメキシコ。私はどんな理由であろうと、メキシコとは戦争をしません。ドイツのクリスもメキシコとは絶対しないでしょうし、日本ともしないでしょう。なぜか?それはその国にかけがえのない人がいるからなんです。メキシコには家族と呼べる人々、友達がいます。ドイツにはクリスがいます。そのような大切な人が住んでいる国と戦争なんて絶対できません。人を知る、交流をする。そして相互の文化を理解する。それが紛争地帯でかけていることなのではないかと思うのです。

 ここにいる多くのロータリアンの方々も十分ご存知だと思いますが「ロータリー」というのは国籍のような役割があるんです。どこの外国にいってもロータリーで行ったという共通点があると、すぐ仲良くなります。日本国内でもそうです。私は帰国生による組織の千葉REXで活躍していますが、同じような組織がROTEXという名前で全国にあります。かれらとも「ロータリーで行った」そのことで結ばれている仲なのです。北は北海道、下は九州まで同じ年代の多くのROTEXが世代、派遣国を越え、ロータリーの精神のもと活動しています。何も知り合うのは若者だけではありません。選考試験で選ばれてからスポンサー、委員会のロータリアン、現地のロータリアン、東京や岩手のロータリアンの方々にもお世話になっています。

 現在年間約7千人の交換留学生が世界中に派遣されていると伺っています。残念ながら千葉は20年前には20人、10年前には10名以上いた派遣学生も、現在は年度に3〜4名程度の派遣になっています。しかし、世界全体でこのような活動が何年も続き、7千人、1万4千人、2万1千人と年々増えていくということは、それだけ、世界を知り、お互いの文化を尊重しあえるような青年が増えていっているということなのです。そのような人々が増えたらどれだけ世界は平和になるのでしょうか?かなり理想主義的な考えかもしれませんが、それがロータリーの理念であり、それがプログラムの意味だと思うのです。

 そして、これから奨学生として、財団でも同じような体験ができるだろうと今から楽しみにしております。青少年交換と違うとすれば、それは勉強することも目的の一つに入っているということで、来年、指定されたスペインにおいて、勉強、交流ともに励んでいきたいと思います。改めて、皆様からご推薦頂いたことを感謝致しております。また、本日はこのような機会を頂きありがとうございました。


ニコニコ報告
遠藤 元明
11/3 長男の結婚式が無事に終わりました。ほっとしていますが、未だ娘が2人いますので、もう少し頑張ります。

大倉 崇
田村さん、留学先第一希望校RIロータリー財団管理委員会より指定されました。お目出度う。さらに頑張って下さい。


出席報告
在籍者数:51名        
出席者数:33名 
本日の出席率:64.6% 
前々回の出席率:79.7%              

事務局 高橋 信子 TEL/0436−75−0976  FAX/0436−75−1465
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