市原中央ロータリークラブ週報      2006.02.21 第857号

国際ロータリー第2790地区ガバナー 山中義忠
第2790地区第3分区Bガバナー補佐 山崎邦夫
会 長:山崎 幸男
幹 事:田仲 正道
例 会:毎週火曜日12時30分点鐘 五井グランドホテル
事務所:〒290−0056 千葉県市原市五井5584−1 五井グランドホテル
     TEL0436(23)1211 FAX0436(23)1217

点 鐘:山崎 幸男会長
ソング:それでこそロータリー
司 会:藤原 勝次 SAA
お客様:中央証券株式会社 株式部長 前田 守様
     中央証券株式会社 市原支店長 殿岡 和彦様
     元交換留学生 田村 陽子様


会長挨拶:山崎幸男会長
■ 先週14日は、当クラブがホストを務めました2790地区第3分区BのIM(インターシティーミーティング)への全員登録で参加いただきありがとうございました。おかげ様で約120名の方々が参加いただき無事に終了することができました。ガバナー補佐も直前ガバナーも入院で共に代理が出席すると言う中で、田仲幹事には準備に大変ご足労をおかけいたしました。あらためて感謝いたします。

■ さて本日、会員の皆さまにはチラシをポストに配布させていただきましたが、来月の14日にオペラ歌手の川副千尋さんが卓話に来られます。卓話の内容はそのチラシの「ボリショイの歌姫、心の旅」と言う本のタイトルと同じ題名です。今月発売される初めての本の出版を記念して、私どものロータリークラブで他にさきがけて最初の卓話をしていただきます。
■ つきましては、当日、本人のサイン入りのその本をぜひ会員の皆さまにもお買い上げしていただきたく、事前にチラシを配布させていただきました。ボランティア精神を発揮して購入の申込みの方もよろしくお願いいたします。申込みは事務局の高橋さんが受け付けております。


幹事報告:田仲正道幹事
1、先週は皆様の御協力のおかげで無事IMが終了しました。ありがとうございました。
2、第2回家族の集いが3月7日、ホテル・ザ・マンハッタン幕張であります。
  参加出来る方は2月25日までに連絡をお願いします。

委員会報告:親睦委員会 石井昭親睦委員
1、4月21日(金)22日(土)に東京電力柏崎原子力発電所の見学を予定しております。
  詳細についてはのちほどFAXさせていただきます。家族での参加をお待ちしております。

卓話:「最近の株式市場について」 中央証券株式会社 前田 守様

 
中央証券株式部の前田と申します。
 平素、地域の皆様には大変お引き立てを賜り誠にありがとうございます。また、本日は貴重なお時間を頂戴いただきまして、重ねて御礼申し上げます。
  さて、証券会社の人間でございますので、やはり相場のことをお話ししなければならないと思いますが、タイミングが良いといいますか悪いといいますか、このお話しを最初に頂戴しましたときは、株価はまだ高い水準にありまして、それを前提にお話しの内容を思い巡らせておりました。わずか数週間後にこうした展開になるとはよくあることですが、予想外でありました。とにかく日経平均株価はご承知のとおりの下落局面にありますので、話の切り口をかなり変更しなけらばならない事態に見舞われましたことをご覧察いただきたいと思います。
  国内景気は2002年2月から上昇を続けておりまして、今年11月まで継続すると「いざなぎ景気」を超えることになっております。バブル経済崩壊以降、長らく「雇用の過剰」「設備の過剰」「債務の過剰」に企業は悩まされてきたわけですが、日銀短観のDIなどを見ておりますと、これらはようやく解消されて、企業は人の採用を増やし、増加する製品需要に対応するために設備投資を活性化させ、銀行の不良債権比率もみるみる低下して、貸し出し残高は増加に向かいつつあるという状況です。
  加えて先週発表されていた、10−12月のGDPを見ますと、年率換算で実質成長5.5%となっておりますし、今朝の日経新聞では政府が景気に対する基調判断を上方修正するとの観測も出ておりました。株式市場を取り巻く環境としては、ある意味この世の春のような環境になっているわけですが、株価は大きな調整局面に入ってきているわけです。
  何故でしょうか?
  いろいろな分析はあろうかと思います。私の個人的な見方としては、株価を形成する要素としての景気・企業業績に問題はないことは今お話ししたとおりですが、要するにその他大きな要因として「需給の問題」と「金利の問題」があろうかと思います。需給の問題としては、外国人投資家による売りと個人マネーの動きという大きな構図があります。
  外国人投資家は昨年の日本株急上昇の過程で中心的存在であったことはご承知のとおりです。2003年には8兆円、2004年には7.6兆円、昨年はとうとう10兆円と、日本の景気回復に歩調を合わせるように日本株を大きく買い越してきた投資主体でした。今年も日本経済の順調な成長シナリオに基ずいて、昨年までとはいかないまでも大きく買い越してくることが予想されています。そうした中で外資系証券会社の日本株評価が低下したなどという動きもあり、市場のセンチメントが低下したということが景気にあろうかと思います。
  一方、昨年大きな利益をあげて資金的に余裕のある個人投資家は、特に信用取引において最近の株価下落局面では押し目買いを入れてきておりました。結果として信用取引残高が6兆円に迫る規模となってきております。ライブドア事件に関連していわゆる新興市場と呼ばれる(東証マザーズ、JASDAQなど)市場銘柄の株価が急落する中で、信用取引の評価損に伴う処分売りがまた売りを呼ぶとういうスパイラルもあらわれてきているかと思います。

 もう一つの金利の問題は、日銀による「量的緩和解除」の動きにつれて、低金利の国の通貨で資金を調達して国際的に運用するという「キャリートレード」という手法がありますが、そうした国際的なヘッジファンドなど投機的な動きも今後の金利上昇観測で撤退傾向にあるということで、株式市場のみならず、国際商品市況の下落にもそうした影響が出てきております。
  株価が急激に上昇した場合には調整はつきもので、この調整局面がいつまで続くかということの判断が必要となりますが、ここまでの下落でそろそろ株価としては反転してもよい水準に近づいてきているのではないかと思います。

 ただし、もう一つ大きな雲が市場には垂れ込めていると考えております。
  昨年来より東京証券取引所のシステム問題がマーケットにとって大きな重しとなってきております。実はこの問題が一番大きな問題ではないかと危惧しているところです。
  ご記憶にあるかと思いますが、昨年11月1日には、システムの不具合で午後の取引が完全に停止しました。
  12月8日には、ジェイコム株にかかる誤発注事件(ある証券会社が新規上場のジェイコム株の売却にあたって、株数と価格を間違えて、62万で1株売却のところ、1円で62万株売却の誤発注をしたケース)があいりましたが、東証のシステムの不具合で誤注文の取消しができずに事故が大きくなったという経緯がありました。
  今年1月17日にはライブドアに強制捜査が入り、翌日には、売買高が急増して株価は下落しましたが取引件数の急増を理由に午後2時40分ごろから取引が全面停止するという異常状態に見舞われました。1月19日からは午後の立会い開始時間が12:30から13:00へと30分延刻されることになり今現在も継続しています。1月25日にはライブドア株については14:00から15:00の1時間の限定取引となっています。
  いわゆる現物株の売買は約9割が東京証券取引所に集中していますが、これとは別に大阪証券取引所には日経平均先物市場が開設されております。12:30に大阪の先物市場が始まり、この間に先物が大きく上下に振れる思惑的な売買がされると、30分遅れてスタートする東京の市場もさや寄せする形で大きく上下する傾向が見られますが、これを「魔の30分」と言っております。
  取引システムの不具合はいろいろな形で弊害をもたらしていますが、いずれにしても、市場としての最低の機能を果たせないことは、特に外国人投資家にとってみればもっとも避けたいマーケットと受け止められるものです。流動性がしっかり確保されていない市場では誰も取引をしたがらないのは当然のことでしょう。
  東京証券取引所には大きく3つのシステムがあります。注文を処理するシステム、精算を処理するシステム、それに株価情報を提供する相場報道システムです。一連の事故を契機として東京証券取引所は、当初今年秋を目途として、注文・精算の処理能力を増強することを発表しました。最近になってまたその計画を一部前倒しすることを発表しまして、おりしも本日、社内決定して、それを受けて西室社長の会見が行われる予定です。現在の予定では、5月にシステム増強を前倒して同時に取引時間のねじれを解消するという予定を立てているようですので、ずいぶん先の話しのような気もします。
  「魔の30分」を解消するのに、大阪証券取引所が午後の開始時間を東京市場にあわせるという考え方も出来るはずですが、そうした動きは今のところ出てこないように見受けられます。
  もう一つ道があるとすればですが、コンピューターに負担をかけると想定されるライブドア株そのものの上場廃止措置は、売買時間の正常化に向けてのひとつの前進となるかもしれません。それにしても手続き上は整理ポストに移動してからさらに1ヶ月程度を要するわけですから、過剰な期待は禁物かもしれません。

 最近の外国人投資家の売り越し傾向については、ヘッジファンドなど投機的な動きに変化はあるものの、オイルマネーなど長期的な運用投資金については、日本株評価に大きな変化はないと考えています。今お話ししたシステムリスクが解消されることで、いずれ外国人投資家は日本株への買いの姿勢を高めてくると考えております。

 株式市場は今、青空にさしかかったいくつもの雲が少しずつ消えていくのを待っている状況かと思います。ライブドアの問題もそうでしょうし、今お話しした取引所の機能も問題も重要だと思います。ひとつずつ問題が発生し、解消されていくことで、日本の市場も成熟していくプロセスにあるのだと思います。

 さて、今後の相場の見通しですが、中長期的には日本経済のファンダメンタルズは揺ぎなく、米国経済も好調、中国経済も好調ということになれば、全く悲観的になる必要はないと考えています。今回の株価調整は結果的には必然のもであり、現在の株価調整の引き金となった要因は、市場インフラというところにあると考えていますので、こうした雲が晴れることで適切な調整を終えて日本株はあらためて反発力を強めてくると考えております。今のところ東京証券取引所の対応を見守るより術はありませんが、システム増強・取引時間の正常化を待たずとも案外、3月中ごろには大きな反勝局面が訪れてくるのではないかと思います。
  今回景気回復のシナリオの中で最も恩恵を受け易いのはやはり、銀行セクターではないかと考えています。今期の業績の良さについては、不良債権処理に伴う引当金の戻りが利益を押し上げるといういわば、本業以外の増益ではありますが、今後景気回復による金利上昇局面、設備投資増加による貸し出し増加への期待感など、銀行本来の業務によって業績が押し上げられることが確認されれば、より業績の向上が見込まれるのではないでしょうか。それには、銀行貸出の変化、また特に中小企業の投資需要の変化などに十分注意を払っていきたいと考えています。
  さて、取引所システムの問題など、いろいろ申し上げて参りましたが、もちろん市場の仲介者である我々証券業界も傍観しているわけにはいかないとうことは言うまでもありません。業界をあげて問題解決に向けて行動していくべきとの意見もありますが、残念ながら業界全体としてのまとまりがないのも実状でありあます。
  地域で対面営業を営む当社としましては、ご提供する情報の精度を高めながら、地域の投資家の皆様の期待にお応えして参りたいと考えております。
  今後とも、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
  本日は、ありがとうございました。


ニコニコ報告:
遠藤 元明
3月17日会社の20周年記念パーティ、ー昨年の夜例会の生バンド谷川会員の娘さんと楽しく行いますので皆様の御出席宜しくお願いします。
田仲 正道
皆様のご協力をいただきましてIMを無事終了させることができました。ありがとうございました。

出席報告
在籍者数:50名        
出席者数:30名 
本日の出席率:59.57% 
前々回の出席率:74.47%              
事務局 高橋 信子 TEL/0436−75−0976  FAX/0436−75−1465
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