卓話　｢銀行の規制緩和と監視強化｣　　木下和久会員
　現在、銀行が最も力を入れているリスクの紹介と現在に至るまでの歴史をお話させて頂きます。
一言で言いますと、私の入社した30年前の銀行は規制でがんじがらめでした。何をするにも監督官庁へお伺いをたてる。一方でリスクは今ほどではなかった。具体的には、収益については預金と貸出の金利は規制されており確実に利鞘は確保できました。競争によるリスクも少なかった。商品は横並び、店舗も許認可でありました。
　現在は、規制緩和され取り扱い業務、商品、店舗等ほぼ自由にできます。一方いろいろなリスクが存在し自分でリスクをコントロールできなくてはいけない。リスクを許容できる体力を持たなくてはいけない。
　具体的には、預金・貸出金利は自由、投資信託・保険・信託等取り扱いをしています。それに対して発生する可能性のあるリスクについて自己資本は十分ありますか？と自己資本の充実を求められております。例えば、事務ミスから大量の不具合が発生した場合その修復コストや逸失利益をカバーできるだけの自己資本は十分ですか？又、利用者保護の観点より、その営業体制へのリスクの状態を監査するということで証券取引委員会等いくつもの監査を受験しています。
　言葉を変えて専門用語で言いますと、昔は信用リスク中心、20年前には信用リスクとマーケットリスク、現在はこの二つに加えオペレーショナルリスクが加わり注力しており、それが発生しない体制作りに本部も支店も力を入れております。オペレーショナルリスクには五つのリスクがあります。
１、事務リスク・・正確な事務を怠る、顧客に対する説明等を怠ることにより損失を披るリスク。
２、システムリスク・・情報の漏洩やコンピューターシステムの誤作動やダウンに伴い損失を被るリスク。
３、人的リスク・・従業員との関係や差別行為に起因して損失を披るリスク。
４、有形資産リスク・・災官等により有形資産の毀損から損失を披るリスク。
５、風評リスク

個人情報保護法、今年９月の金融商品取引法施行によりオペレーショナルリスクはますます重要となってきました。
以上、規制緩和というビジネスチャンスの拡大にあわせて増大するリスクへいかに対応しているかということをお話しました。最後に-言PRいたしますと、こういったさまざまなリスクに、先手先手で千葉銀行は対応しています。長いお付き合いをよろしくお願いします。