市原中央ロータリークラブ週報      2010.10.26
第1076号

国際ロータリー第2790地区ガバナー 織田 吉郎
第2790地区第3分区Bガバナー補佐 水野 謙一
会 長:田仲 正道
幹 事:守屋謙一郎
例 会:毎週火曜日12時30分点鐘 五井グランドホテル

点 鐘:田仲正道会長
ソング:四つのテスト
司 会:須藤襄SAA
お客様:第2790地区 織田吉郎ガバナー
     第3分区B 水野謙一ガバナー補佐          

例会内容
 点鐘
 会長挨拶・幹事報告 
 織田吉郎ガバナー卓話
  ニコニコ報告・出席報告
 点鐘・閉会

会長挨拶:田仲正道会長

 皆さま、こんにちは
 本日は織田ガバナー遠い所、誠に有難うございました。よろしくご指導のほど、お願い申しあげます。
 また、水野ガバナー補佐に於かれましては、先々週に続き有難うございます。私はPETS、地区協議会等を通じて、織田ガバナーの職業奉仕の理念を大切になさる方針に共感してまいりました。
 そこで毎週の会長挨拶の中で、職業奉仕を中心としたロータリーについての話をさせていただいておりますが、本日は織田ガバナーのお話を直接拝聴できる良い機会ですので、お一人お一人にとって有意義な時間になるようにお願いします。
 また、ガバナーは「スタイルを磨こう」というテーマをあげられておられますが、当クラブは磨くべき良いスタイルを持っておりますので、更に磨き個性のあるクラブ運営をしていこうと思います。

幹事報告: 守屋謙一郎幹事

  ◇織田ガバナー、水野ガバナー、補佐本日はありがとうございます。

 ◇青少年による環境をテーマとする模擬国連のプロモーション番組が10月27日7:00〜7:15千葉テレ
  ビにて放映されます。

 ◇地区大会(11月6日〜7日)の詳細が事務局に届いています。

 ◇本日例会終了後、13時30分より記念撮影、13時40分よりクラブ協議会を行います。

 ◇11月9日の例会は11月6日〜7日の地区大会への振替となります。

例会変更のお知らせ

 千葉北ロータリークラブ
  11月10日→11月6日〜7日 地区大会
  11月24日→11月22日 創立20周年記念式典

委員会報告:  
  
  な  し

卓話: 品格あるクラブの条件 国際ロータリー第2790地区2010-2011年度 織田吉郎ガバナー

 7月からガバナーを仰せつかっております、銚子ロータリークラブの織田と申します。どうかよろしくお願いいたします。現在地区内クラブを1つずつ公式訪問させていただいております。
 それは公式訪問がガバナーとしてみなさまにお伝えしなければならない情報、お伝えしたい情報を伝えることがお役目の半分、残りの半分は各クラブのスタイルに直接接して学び、他クラブにそれを伝えてゆく役割がお役の半分と心得ているからです。
 会長・幹事懇談会やクラブ協議会で多くのロータリアンの皆様との意見の交流を通じて、実に多くのことを学ばせていただいております。
 レイ・クリンギンスミス会長の掲げるテーマについてお話します。Building Communities,Bridging Continents「地域を育み、大陸をつなぐ」
 これまで会長のテーマの多くはロータリアンに向けて発せられたものでした。ここ5年間を見ても「超我の奉仕」「率先しよう」「ロータリーは分かちあいのこころ」「夢をかたちに」「ロータリーの未来はあなたの手の中に」といった具合です。そこでクリンギンスミス会長は一般の人にも理解できるテーマ、ロータリーの使命を表し、業績を強調できるようなテーマにしたいと考えました。会長はテーマについての話をする時必ず引用するのがロータリーの中核的5つの価値観です。「奉仕」「親睦」「多様性」「高潔性」「リーダーシップ」この5つは同等の比重を持って分かちあう必要があると表現されます。
 それは、ロータリアンは活動を展開するにあたって @奉仕のこころにかなっているか A親睦を深めることができるか B人々は多様な文化や価値観を持っていることに配慮しているか C高潔な人間性を高めることができるか Dリーダーシップを磨くことはできるか、この5つのチェックポイントで常に活動を修正しながら「地域を育み、大陸をつなぐ」活動を展開してほしいということだと私は理解しています。
 また、クリンギンスミス会長が四大奉仕という原則を大切にすることは、2010−2011年度会長賞の分類を見れば一目瞭然です。「ロータリーの綱領」をもってロータリー運動の原則とする視点が見事に貫かれていてとても分かりやすく親しみが持てます。
 さて、私にいただいた残りの20分で皆様に1つのことだけをお伝えします。それは「自分のクラブは自分で守る」という自治のこころを磨いてほしいということです。
 今日本のロータリーの会員減少に歯止めがかかりません。世界全体ではここ10年間を見るとほんのわずかですが増加しています。経済先進国と途上国をグループ分けしてみると、先進国の後退とそれを補う途上国の勃興を見て取ることができます。この1年間では、アメリカの落ち込みをインドが補い、日本とイギリスの落ち込みを韓国が補うという形になっています。何故先進国が減少を重ね、一方で途上国がそれをカバーする勢いを持ってきたのか、先進国全体の中で何故日本だけが突出した減少を続けているのか、それを正しく分析することなくやみくもに会員増強を叫んでも、増強できるものではありません。
 日本のロータリーはどうしてしまったのでしょうか。ただ単に好景気による拡大、長引く不況による減少それだけなのでしょうか。進化に乗り遅れてしまったのでしょうか。あるいは進化どころか退化を重ねている状況に嫌気がさして退会者が続出したのでしょうか。ロータリーの現状を進化と捉えるか退化と考えるか、もう既にそこから意見の分かれるところです。
 どんなにロータリーが変質してもそれは時代の要請するところの進化なのだと考える人々がAdapt or Perish(適応しますかそれとも絶滅しますか?)を錦の御旗に掲げて変化しなければ恐竜のように絶滅しますよと警告します。しかしこれはあくまで「変化することは進化することだ」という根拠に乏しい前提によるものです。ロータリーの歴史を辿ってゆく過程で、「素朴なスタート」から「しっかりした理論づけの時代」そして「無原則的拡大の時代」へと転換してゆく姿をトレースして気付くことは、ロータリーは「無原則的拡大の時代」の入口あたりから明らかに退化しているということです。時代に適応することは時代の流れに乗って会員を拡大することだということにすり替えてしまっています。折からIT化=進化という錯覚に流されてしまっているのです。日本のロータリーの衰退は、ロータリーの変質による魅力の喪失にあると考えたほうが問題の本質に迫りやすいでしょう。
 お手元の資料をご覧ください。
 この日本のロータリーの危機を私は3つの要素によるものと大別しました。
1つは国際ロータリーの指導方針によるもの、2つ目は日本の社会が独自に抱えている問題、 そして3つ目は私たちのロータリークラブ自体の問題です。
 今日は時間的制約がありますので、それぞれの項目から、代表的な問題のみをお話しすることにします。
 まず国際ロータリーでは中央集権化が進んでいることです。1992年の手続要覧を見て私は大変驚きました。それまでCentral Office という名称だったエバンストンの世界本部がWorld Headquarters という名称に変わったのです。司令部、これほどロータリーに相応しくない名称はありません。平然とこんな名称変更をする感覚に疑問を持ち、以来、国際ロータリーの方針をより注意深く見るようになりました。「ロータリーのシステムの要はクラブの自治にある」と言ったのは、ジョン・ケニー直前会長です。「司令部」と「自治」これは相対する概念です。
 国際ロータリーが進めているグローバルスタンダード化(CLPの推奨)は、世界のクラブを均質にしようとするもの、世界のクラブをボランティア団体として一元化し、上意下達で集団の生産性を高めることを狙っています。世界中の花園をすべてバラの花だけにしてしまおうということです。ロータリーは各国、各民族、各地方に生まれてそれぞれ美しく花開いた文化や伝統や情緒、その国特有の美しい花を大切にしてゆくロータリーでなければなりません。効率化、画一化を進めてはいけません。ドイツ人はドイツ人のように、アメリカ人はアメリカ人のように、ペルー人はペルー人のように、そして日本人は日本人のように考え、行動して初めてロータリーが国際団体としての意味があるのです。
 では何故国際ロータリーはグローバルスタンダード化を推進しようとするのでしょうか。
 RIの打つ手の全ては会員を増やすこと一本に絞られていて、そのためには原則に無頓着、ほとんど「なりふり構わぬ」という形容がぴったり当てはまります。
 国際ロータリーの問題として今1つ「ボランティア団体化の推進」を挙げます。これは会員増強のためのグローバルスタンダード化と表裏一体をなすものです。国際ロータリーは2017年のロータリー財団100周年に向けて大きな成果を求めています。そのためにはロータリー単独でできることは限られていますから広く募金を展開して大きな資金を得て、大きな成果をあげようとしています。そのためには分かりやすいプログラムでなければなりません。ウォールストリートジャーナルが何年か前に、「ロータリーの地道な活動はノーベル平和賞に値する」という一文を掲載しました。会員一人一人が職業倫理を高揚してもその活動は見えませんからノーベル賞はとれません。End Polio Now ポリオ撲滅のように大きな目標を打ち立て、それに向けて一致団結している姿こそがノーベル賞への道だと考えています。皆さんにご協力をいただいているポリオ撲滅、この運動自体はこれまでキャンペーンを展開しなかったら500万人ともいわれる子供がポリオにかかっていただろうと言われているわけで、素晴らしい成果を収めています。一方で組織論としてはロータリーを考える時、ロータリーを変質させる役割を果たした主役でもあるのです。
 次に私たちのクラブを直接的に取り巻く日本の社会の問題に移ります。
 1つは経済の市場原理主義による社会の荒廃が進んでいます。実体経済とはかけ離れたマネーゲームによって、国家や社会のことなど考えることもなく、自分の利害損得だけで行動する人々、正直者が正しく報われることのない社会に変貌し、職業奉仕を大儀とするロータリアンは、無力感を味わっています。
 今1つは文化的底力(ローカリズム)の衰弱です。実はこれが日本ロータリーの危機の最も中心的要素だと私は考えています。日本人はおしなべて祖国に対する誇りも自信も失ってしまった。そしてそれによって日本人は大局観と教養を失ってしまった。それ故グローバリズムにとめどなく流されてしまう。国際ロータリーの方針、つまりグローバルスタンダードに無条件で飛びつく。自分の頭で考えること、つまりローカリズムを簡単に放棄してしまうのです。かつて鎖国時代の日本は、世界的に見ればローカリズムの標本のような世界です。その江戸時代に実に強固な文化的底力を見ます。明治から一気に日本が近代化を成し遂げたのは江戸時代にその下地があったからという見方を否定する人はまずいません。
 江戸末期、日本の人口3500万人に対して寺子屋15000ヶ所、識字率は侍で100%。庶民男子70%、女子20%。江戸市中では70%の識字率であったといわれています。当時世界の中心を自認していたロンドンの識字率は30%でした。幕末開国時、日本を植民地化しようとやってきたイギリス人は、江戸市中で庶民が瓦版をまわし読みしているのを見て植民地化をあきらめたといいます。長い間鎖国をしていたにもかかわらず世界的に飛びぬけていた文化レベル、「武器」でも「侍」でもなくこの「文化」、つまりローカリズムが国を護ったことは実に示唆に富んでいます。私達は江戸人の持っていた文化の貯金を使い果たしてしまったのでしょうか。今多くのクラブはグローバルスタンダードに無原則的に流され続けています。そんなロータリーに嫌気がさして退会してゆく会員は少なくありません。
 日本社会の問題の最後は我慢力の衰退です。
 私は戦後生まれです。小学校時代、東京にあっても貧困は身近でした。ボロを着て鼻をたらしお腹を空かせた友達がいて、学校を休みがちな彼らを誘いに行くのが私の朝の日課でした。今思えば身近な貧困は私に他人の不幸に対する敏感さを養ってくれた最大の教師でした。みんな仲良く生きてゆくためには我慢が必要なことを皆が知っていて互いに助け合う強い絆がありました。
 今は集団の中で我慢するより集団を離脱して浮遊する気楽さを求めるようになってしまいました。登校拒否や会社に縛られたくない派遣社員の増加、離婚も一種の集団離脱です。ややこしい人間関係を嫌う人々は当然ロータリー集団に入ろうともしません。我慢力が衰弱していった原因は私達が飢餓から解き放たれ、飢え死にすることのない社会になったからだと考えています。 考えればこれは人類500万年の歴史の中で始めて経済先進国に訪れた現象です。日本だけでなく先進国ロータリーが会員を右肩下がりに減らしていることと我慢力の衰弱は大きなかかわりがあるのではないでしょうか。

 駆け足で日本のロータリークラブの危機の外的要因を見てきました。
 日本のクラブ自身の問題はこの後のクラブ協議会で話させていただきます。まず今は、
  @ 先進国ロータリーは、とりわけ日本のロータリーは未曾有の危機にあるという認識を持つこと
  A そして危機の原因を分析し、できるところから改善してゆこうと努めること
  B 自分たちのクラブは自分たちで守るという自治のこころに目覚め、研ぎすましてゆくこと
  C 国際ロータリーの打ち出すグローバルスタンダードは必ずしも日本のクラブを発展させない。そ
    ればかりか衰退させてゆくこともあると知ること
をご理解くだされば幸いです。
 最後に私が掲げさせていただいた地区のテーマ「スタイル(様式)を磨こう」にふれさせていただきます。
 地区内のそれぞれのクラブは長い年月をかけて1業種1会員制や四大奉仕という型、例会重視などの習慣を積み重ね、ロータリーならではのスタイル(様式)を創り上げてきました。そのスタイル(様式)に今危機が訪れています。私達は何を変えてはならず、何を変えてゆかねばならないのか。各クラブで徹底的に討論してほしいと願っています。
 討論の過程でクラブの持つ「物差し」がより高い質を持ち、それがクラブのスタイル(様式)に磨きをかけることにつながってゆくのです。それぞれのクラブが独自の「物差し」を創る過程の中でクラブに意欲がみなぎります。会員個々人が磨かれ、結果として地域社会が生き生きしてくるのです。
 私達の手によって地域を育み、大陸をつないでゆこうではありませんか。
 ご静聴ありがとうございました。


ニコニコ報告: 
  
◇田仲正道会長
  織田ガバナー、水野ガバナー補佐、本日はありがとうございます。明確な方向性が得られました。

出席報告:
在籍者数:52名 
出席者数:35名 
本日の出席率  :67.30%
前々回の出席率:84.46% 
事務局:〒290−0056 千葉県市原市五井5584−1 五井グランドホテル
      TEL0436(23)1211 FAX0436(23)1217
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